【現地レポート⑧】「悔しいときが成長のチャンス」〜倉敷市立南中学校〜
2024年1月6日
夏の全国中学校バスケットボール大会で、準優勝という好成績を残した倉敷市立南中学校 (岡山) 。この「京王 Jr.ウインターカップ2023-24」に、夏の結果を超える日本一を目指して臨みました。
1 回戦で、全国中学校大会でも好勝負を繰り広げた実践学園中学校 (JBA推薦枠 / 東京) に再び競り勝ち、続く 2 回戦では DARK RED CRABS U15 (福井) に 52-37 で快勝。しかしベスト 8 を懸けた 3 回戦、その前に立ちふさがったのは GYMRATS (静岡) でした。
前半を終えて 33–19 と、倉敷市立南中学校は激しいオールコートプレスを武器に14点リードで試合を折り返します。しかし第 3 クォーター、まさかの展開が待っていました。インサイドを固めた相手のディフェンスに対して外のシュートがまったく決まらず、インサイドへのパスもカットされて、このクォーターは 0 得点。さらに第 4 クォーターに入っても無得点が続き、ようやく後半の初得点を決めたのは第 4 クォーター残り 5 分のことでした。
そこから息を吹き返すかと思われましたが、競り合いの中で再び GYMRATS の勢いにのまれてしまいます。相手のエース # 0 佐藤凰臥選手に連続得点を許し、最終スコアは 42-43。無情にも僅かに 1 点届かず、ベスト16敗退となりました。
試合後、「前半で大きくリードして、選手も僕自身も、どこかで勝ちを意識してしまったのかもしれません。消極的になってしまいました」と述べた倉敷市立南中学校の坪井晶コーチ。一方、GYMRATS の岡田卓也コーチは「相手は全中準優勝のすばらしいチーム。強い中学校がどんな強さなのか、相手にリスペクトを持って自分たちの力を試すゲームでした」と話していました。受け身になってしまった倉敷市立南中学校と、失うもののない挑戦者として向かっていった GYMRATS。その対象的な姿勢が、明暗を分けたのかもしれません。
試合後のミーティングで、悔しさに嗚咽をもらす選手たちに向けて坪井コーチは語りかけました。
「悔しいなぁ。でもこれを忘れるな。悔しいとき、『ああしておけば良かった』と後悔するときが、成長のチャンスや」
中学バスケを終えても、この先のバスケットボールキャリアや人生は続いていきます。チームの大黒柱を担った #34 廣田 翼選手は「チームのみんなに支えられて、ここまでやってこられました。この先、自分に足りなかった部分を追求して、もっと成長した姿を見せたいです」と、そしてエースガードの #30 石川大雅選手は「高校ではこの悔しさを忘れず、中学までの自分ではなくて、もっとレベルアップした選手になりたいです」とコメント。それぞれに涙をぬぐって、さらなる飛躍を誓っていました。