現地レポート

【現地レポート⑨】いつか “ U ” の取れた日本代表へ ~NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY #7 高橋歩路選手~

2024年1月6日

 2023年度の U16 男子日本代表として、2023年 9 月にカタールでおこなわれた「FIBA U16アジア選手権大会2023」に出場した選手が「京王 Jr.ウインターカップ2023-24」に 4 人出場しています。
 NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY (秋田) の #7 高橋歩路選手もそのうちのひとりです。

 その NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY が男子の準々決勝で対戦したのは、四日市メリノール学院中学 (三重) です。結果は 69-76。#7 高橋選手と NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY は準々決勝で大会を去ることになりました。

 敗れたとはいえ、昨夏の「全国中学校バスケットボール大会」を圧倒的な強さで優勝した四日市メリノール学院中学に対して、最後まで食い下がりました。それどころか、第 3 クォーターの途中まではリードをしていたほどです。
「終盤にも自分たちのいい流れを作ったんですけど、最後の最後で勝ち切ることができず、改めて自分たちの戦い抜くことの弱さを思い知りました」
 #7 高橋選手はゲームをそう振り返ります。
 自身のプレーについても「最初は少し様子見をしてしまったし、途中でも決めきらなければいけない場面で逃げてしまって……得点を取りにいかなければいけない立場なのに、自分も少し気持ちの弱さがあったと思います」と悔やみます。

 ただ、敗れた相手には U16 日本代表としてともに U16 アジア選手権を戦った 3 人のチームメート、#21 中村颯斗選手と #34 白谷柱誠ジャック選手、#61 本田蕗以選手がいます。#21 中村選手とは、このゲームの途中からマッチアップするようにもなりました。
「3 人とは同世代で、(年齢的に) 飛び級のような形で U16 日本代表に選出されていたので、(U16 日本代表チームのなかでも) すごく仲よくしていました。今日の試合前にもコミュニケーションを取ってくれて、いい雰囲気で試合に臨めたので、最後にあの 3 人と一緒にプレーできてよかったです」

 U16 アジア選手権では 5 位に終わり、今年おこなわれる「FIBA U17 ワールドカップ」への出場権は逃しました。それでもアジアの強豪国と対戦し、世界を目指して戦うことができたことは、#7 高橋選手にとっても大きな気づきがあったと認めます。
「コミュニケーションの大切さや、ベンチに下がってから次に出ていくまでの心の準備はすごく勉強になりました。ゲーム時間の使い方もアジア選手権のときの課題として自分で挙げていて、今日のゲームでも最後はファウルでうまく時間を使われたところもありましたが、そのときの対処を (ベンチからの指示ではなく) 自分たちで判断しながらできたので、それは U16 日本代表での経験が生きたと思っています」
 もちろん NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY でも、自身の弱みとして挙げるディフェンスの大切さも学びました。そうしたさまざまな学びを生かせたからこそ、全中王者をこれほどまでに苦しめることができたのでしょう。

 中学バスケはこれで終わりますが、彼の挑戦はこれからも続きます。
「ベンチスタートでもチームを盛り上げて、ディフェンスからしっかりと自分のリズムを作って、求められている 3 ポイントシュートをしっかりと決めきれる、そんな選手になりたいと思います」

 敗れた直後ということもあり、最初はタオルで涙をぬぐっていた #7 高橋選手ですが、最後ははっきりとした口調で自身の未来像を語ってくれました。

 いつか “ U ” の取れた日本代表へ――。
 さまざまな気付きを得た中学バスケを経て、#7 高橋選手は来春から、戦いの舞台を高校バスケへと移していきます。

NOW LOADING

TOP